医者の私が「医療保険は必要ない」という5つの理由

医療

病気になったときのために、医療保険に入っておいた方が安心よね?

ア○ラックとかよく宣伝してるし。。

コタロウ
コタロウ

私は、日本では民間の医療保険に加入する必要はないと思っていますよ。

えっ!?

TVであれだけ宣伝している医療保険が必要ないと言ったら、驚かれる方も多いでしょう。実際、医療保険に加入している方が多いのは、医者ですからよく存じています。しかし、この記事を読めば、私が医療保険が不要と言っている理由に納得されると思いますし、ご自分の保険を見直すきっかけになるのではと考えています。

私は医療保険は不要と考えていますが、あくまでもご自分で最終判断してください。なんとなく不安だから医療保険に入りたくなるのも心情的に理解できます。思わぬ入院があったとき、「保険に入っていて助かった」と感じた方もいるでしょう。しかし、それは気のせいに過ぎないかもしれません。事実と感情を分けて冷静に考えれば、正しい判断ができるのではないでしょうか?

医療保険が必要ないと考える5つの理由

私が、日本では民間の医療保険に加入する必要がないと考えている理由は以下のとおりです。

  1. 日本の医療費はもともと安価だから
  2. 高額療養費制度が最強だから
  3. 医療保険が病気を治してくれるわけではないから
  4. 貯金で備えられるから
  5. 保険の本質から外れているから

日本の医療費はもともと安価だから

日本で暮らしていると分かりにくいですが、そもそも日本の医療費は安価に設定されています。一部から「日本は医療に関しては共産主義」と揶揄されているように、日本では、診療費や材料費、薬の値段などを病院や医師が勝手に決めることはできず、国が設定しています。医療費の目安は公益社団法人全日本病院協会がまとめてくれています(全日本病院協会 医療費(重症度別))。

胃がんや大腸がんの入院、手術で100万円弱の費用がかかりますが、これは欧米の先進国と較べて格安な値段設定です。そして、そのうち患者負担は2−3割なので、大きな手術を受けても、自己負担は20−30万円ということになります。

平均在院日数   入院費用(3割負担の場合)
胃がん19日約29万円
大腸がん18日約25万円
肺がん21日約21万円
乳がん13日約23万円
各種がんの平均在院日数と入院費用(平成26年患者調査の概況(厚生労働省)より)

もともと日本の医療費は安価に設定されているのです。

高額療養費制度が最強だから

これが一番大きな理由です。

日本の公的医療保険の制度のひとつに高額療養費制度があります。一定額を超えると、超過額が戻ってきます。年収と年令によって、支払わなくてはならない上限額が変わります。69歳以下の方の上限額を表にすると、以下のようになります。

適用区分    ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円〜252,600円+(医療費−842,000)x1%
年収約770〜約1,160万円167,400円+(医療費ー558,000)x1%
年収約370〜約770万円80,100円+(医療費−267,000)x1%
〜年収約370万円57,600円
住民税非課税者35,400円
<69歳以下の支払い上限額>(厚生労働省HPより抜粋)

細かい部分や正確に知りたいところは、厚生労働省のホームページでご確認ください。申請の方法なども書かれています。あらかじめ限度額適用認定証を作っておけば、いったん支払う必要もありません。

さらに、仕事を休まないといけなくなった分は、会社員の場合、傷病手当金と休業補償給付で、約3分の2の額最長1年6ヶ月間、健康保険から支払われます。

高額療養費制度によって、いざというときにどれくらい医療費が必要になるのか、上限を把握しておくと安心です。高年収の人でも25万円、多くの方は10万円までに収まるはずです。この額なら、わざわざ保険に入らなくてもいいと思えませんか?

医療保険が病気を治してくれる訳ではないから

医療保険に入っていた人が病気(例えばがん)になって保険金がもらえると、たしかに金銭面では得するかもしれませんが、お金の心配が減るだけで、保険が病気を治してくれるわけではありません。ちなみに、一般的ながん保険で受け取れる金額は下記になります。

診断給付金がんと診断されたときの一時金100〜300万円
入院給付金がんで入院したときの給付金5,000〜15,000円/日
手術給付金がんで手術したときにもらえる給付金手術の種類により50,000〜500,000円
通院給付金退院後の通院をしたときの給付金5,000〜15,000円/日
先進医療特約先進医療を受けたときにもらえる一時金通算2,000万円ぐらいまで
一般的ながん保険の保証内容

お金があれば、特別な治療が受けられて、がんが治るかというと、そんなことはありません。この表の中で、先進医療特約だけ際立って金額が大きく、先進医療という名前もあって、入っておかないと良い治療を受けられないのでは?と考えてしまうかもしれません。しかし、先進医療は、標準治療よりも優れた治療のことではありません。先進医療については、別記事でも解説しています。

貯金で備えられるから

高額療養費制度のおかげで、いざというときに必要な金額はだいたい把握できていますから、その金額を貯金しておくことで対応できます。概ね100万円も貯金があれば、備えとしては十分でしょう。

こう言うと、

もっと長期間治療が必要な病気になったらお金が足りなくなるんじゃ。。

という意見もあるでしょう。たしかにそのとおりですが、医療保険にも支払限度日数があることも忘れてはいけません。どこまで行っても心配は尽きないし、なにがあっても安心という保証は存在しないのです。

保険の本質から外れているから

保険とは、「(確率は低いが)起こると致命的な出費に対して備えるのが原則です。これまで説明したとおり、がんになっても、それだけでは金銭的に致命的な状況に陥る確率は低いでしょう。

次項で説明するような保険には加入するべきですが、この原則を満たしている保険だからです。医療保険は対象と考えていません。

以上のような理由から、私は民間の医療保険には入っていません

正直に言うと、何も知らなかった若い頃は、勧められるままに毎月数万円の保険代(生命保険とセットになったもの)を払っていました。漠然と、家族に負担を掛けたくないと思っていたからです。しかし、病院で長く働いているうちに、公的保険と医療制度のしくみが分かり、医療保険は必要ないと結論しました。

なお、米国に研究留学していたときは、民間医療保険に加入していました。彼の地では公的保険が機能しておらず、保険に加入する理由があったからです。

実際、歯科と子供の中耳炎の手術で莫大な金額を保証していただき、「日本の健康保険はすごいな」と思ったのをよく覚えています。

日本の公的医療保険(高額療養費制度を含む)は財政的に逼迫しており、いずれ破綻することが予想されます。残念なことです。どのような形になるか、まだ判断できませんが、その結果、患者負担額が増大するでしょう。そのときは、欧米のように民間医療保険に加入する必要が出てくるでしょう。しかし、2021年現在の話ではありません。

加入するべき保険

では、加入するべき保険にはどんなものがあるでしょうか?

私が考える、必要な保険は以下になります

  1. 掛け捨ての生命保険(専業主婦+子供が小さいとき)
  2. 自動車保険(対人・対物)
  3. 自宅の火災保険(地震保険含む)

この3つだけは、万人におすすめできる保険と考えています。

子供が小さいうちは、私が急に倒れたときに家族が路頭に迷わないように、生命保険に加入していました。子供が大きくなり、貯蓄もそれなりにできた時点で解約しましたが、ふつうの家庭では必須と思っています。

シンプルな、掛け捨ての生命保険をおすすめします。

【無料】複数の保険会社に生命保険などパンフレット一括請求!

今現在も加入しているのが自動車保険火災保険です。これら2つも、いざというときに致命傷を負う可能性がありますから、保険に加入しておくのが合理的と考えています。

・車を運転する機会があるのなら、対人・対物の自動車保険には必ず入るべきです。医師をしていると、ときどき人身事故に関わりますが、たとえ自分に過失がなくても、一生を棒に振る可能性があるのが自動車の事故です。万一加入していなければ、すぐにご検討ください。

無料の自動車保険一括見積もりサービス

・賃貸でも持ち家でも、火災が起きてしまったら、取り返しがつかない損失が発生するかもしれません。ホテル暮らしでもなければ、加入すべきです。

火災保険一括見積もり依頼サイト

まとめ

☆日本の民間医療保険に加入する必要はない。
理由は、
  1.日本の医療費はもともと安価だから
  2.高額療養費制度が最強だから  
  3.医療保険が病気を治してくれるわけではないから
  4.貯金で備えられるから
  5.保険の本質から外れているから
☆子供が小さいうちは掛け捨ての生命保険に入る。
☆自動車保険、火災保険には必ず加入する。

参考になれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました