「主治医の出身大学は気にしなくてよい」5つの理由

医療

こんにちは、コタロウです。

先日こんな質問をいただきました。

今度胃がんの手術をうけるんですが、主治医は私立大医学部出身で、少し心配です。大丈夫でしょうか?

自分が命を預けると言っても過言ではないですから、ベストな人選をしたい気持ちはよく分かります。

医師になるためには6年制の大学医学部を卒業する必要があります。特に日本はどの業界でも、卒業大学でラベリングする傾向が強いですが、大学によって医師の能力に差はあるのでしょうか?

結論からいうと、

コタロウ
コタロウ

気にする必要はないと思います

理由を解説します。

今日の話は、お示しできるデータが少なく、主観に基づく部分が大きいですが、読んでいただければ納得できると思います。質問者のような疑問が浮かんだなら、参考にしてください。

「主治医の出身大学は気にしなくてよい」5つの理由

私が考える理由は以下の5つです。

  1. 今の医学部はどこも難関だから
  2. 大学に入る能力と医師に求められる能力にはギャップがあるから
  3. 医師国家試験に合格しているから
  4. 私立大出身者の方がむしろ「良い人」が多いから
  5. 有名大学医学部を目指す人ばかりではないから

順に解説します。

今の医学部はどこも難関だから

質問された患者さんの不安は、言い換えれば、

私立医大にしか入れない学力の医者に、大事な治療を任せて大丈夫だろうか?

という意味になりますが、今はどこの医学部も入学するのが非常に難しくなっています

ひと昔前までは、私立医学部はお金(あくまで寄付金など合法の範囲でという意味です)さえ積めば入学できると言われていましたし、実際そのとおりでした。

しかし、それは過去の話です。長引く不況の影響からか、士業(専門資格が必要な仕事)としての医師の人気が高まって、競争が激しくなりました。国立大学が難関なのはそのとおりですが、私立でも医学部に我が子を進ませたい親御さんが増え、その結果、私立医大にも優秀な学生が集まるようになり、不正入試も(基本的には)失くなりました

以前は考えられなかったくらい、私立医大の偏差値が上昇しているのです。

トップ最下位
国立大学医学部   東京大学 74.8  佐賀、山形、秋田大学など 64.8
私立大学医学部  慶応大学 71.8 川崎医大 61.3
国立、私立大学医学部の偏差値トップと最下位医学部受験マニュアルより)

もはや私立医大だからといって、学力面で不足ということはないでしょう。

ちなみに私が卒業した地方国立大学は、上記データでは偏差値66.0でした。

大学に入る能力と医師に求められる能力にはギャップがあるから

そうは言っても、学業成績が優秀な有名大学卒に越したことはないと考えられるかもしれませんね。

仰るとおりですが、医師の資質としてもっと大事なものがありますし、これは勉強の成績とはあまり関係がありません。大学に入るための受験力と、医師として働くときに求められる能力のあいだには、大きなギャップがあるのです。

では、現場で求められる能力はなにかというと、以下の3つでしょう。

コミュニケーション能力

患者さんと信頼関係を作るため、また職場のコメディカルと良好な関係を作るために、コミュニケーション能力は非常に大切です。

要領よく仕事を捌く対応能力

医療の現場は多忙です。科にもよりますが、テキパキと仕事をこなしていく対応能力が医師に求められている能力のひとつになります。
これには反論もあるかもしれませんが、現実の医療現場では否応なく要求されるスキルです。

人間力

非常に曖昧な表現ですし、コミュニケーション能力と重なりますが、最後は個人の人間性が求められるのが医師の宿命と思います。困難な症例、どうしても助けられえない人と向き合う覚悟など、医師としてある程度必要な資質ですが、これらは学力や出身大学とは関係ありません。

ここでは、あえて診療能力については挙げませんでした。言うまでもないことという意味もありますし、誤解を恐れずに言えば、診療能力は上記3つのチカラがあれば、あとはトレーニングで身につくスキルです。

医師国家試験に合格しているから

医師国家試験の合格率は、国立私立ともに90%以上です。

運転免許証の筆記試験でも合格率は60−70%らしいので、90%と聞くと、医師国家試験は簡単だと感じるかもしれません。が、そんなことはありません。

医師国家試験は、年単位でみっちり勉強しないと絶対に合格できません。医師である私が言うのも変ですが、もともと地頭が良い医学生が、ほぼ全員6年後の医師国家試験に向けて勉強して、それでも10%不合格になるくらいには厳しい試験です。少なくとも私程度では、かなりしっかり勉強した記憶があります。

個人的な考えですが、出身大学がどこでも、医師国家試験に合格していれば、最低限の条件をクリアしており、研修医としてトレーニングを始める準備ができている、と思います。

私立医大出身者の方がむしろ「良い人」が多いから

私立医大に進むには、多額の学費が必要です。

学費(6年間総額)
国立大学350万円
川崎医大(最高値)4736万円
  国際医療福祉大学(最安値) 1910万円
国立大学、私立大学医学部の学費(6年間総額)

上記の大金を払える家庭は限られているでしょう。私立医大に進学できる人は、裕福な家庭に育っています。「金持ち喧嘩せず」という言葉がありますが、裕福な家庭に育つと、穏やかな人間に成長することが多いのではないでしょうか。実際、私の周りの私立医大出身の同僚は、良い意味で余裕のある「良い人」が多いです。世間知らず、お人好しと言えば、そういう部分もあるような気もしますが、それらは医師としてそんなに悪い資質ではないように感じます。

有名大学医学部を目指す人ばかりではないから

医学部志望者が、全員が東大、京大、阪大といった有名大学を目指すわけではありません医師免許に出身大学による差はありませんから、大学はどこでも良いと考えて地元の国立大学に行く人も多いです。特に地方では、優秀な女の子が都会の有名大学に行くより地元に残ることを優先して、地方大学に行くことはよくあります。

また、東京には国立大学は2つ(東大、東京医科歯科大)しかないのに、私立大は11あります。学費の問題がなければ、東京出身の方は、私立に行くことも選択肢になる場合があるでしょう。

では、なにを基準に医師や病院を選んだらよいのか

前項までに挙げた理由で、私は医師の出身大学を気にする必要はないと考えています。

では、なにを基準に医師や病院を選んだらよいのでしょうか

非常にむずかしい問題で、即答するのは困難です。

前述した医師に求められるスキル(コミュニケーション能力、臨機応変な対応能力、人間力)、診療能力、外科医なら技術。これらは出身大学に関係なく、求められていることですが、現実にそれらを満たした「理想の医師」に出会うのは、患者さんにとっては運まかせになっているのではないでしょうか。。

ブログタイトルでもある「ナイショの話」としては、「医者の友達と持つこと」です。

何科でも構いませんから、病気の相談くらいできる医者の友達がいれば、その友達を通じて信頼できる医師、医療機関を紹介してもらえる可能性はかなり高いです。

以前、私の専門外のことで知人から相談を受けたことがあります。

咽頭がんで喉を切除する手術が必要と言われてたけど、どうしよう?

早速、勤めている病院の頭頸部外科部長に相談して、その患者さんが住む地方の信頼できる医師を紹介してもらいました。

結果的には、放射線治療がよく効くタイプの咽頭がんであることが分かり、手術を回避できて、とても感謝されました。このような対応は、医師でないとむずかしいと思います。

「医師の友達を持つ」ことは少々ハードルが高いことかもしれません。しかし、これ以上に有効な手段を私は思いつきません。今はSNSなどで人と繋がる機会が増えています。私もTwitterやNewspicksといったSNSで、医療関係以外の方と知り合うことができて、人生の幅が拡がったと感じます。

機会があれば、医師と友達になっておくと役立つかもしれないことは覚えておいてほしいと思います。

まとめ

「主治医の出身大学は気にしなくてよい」5つの理由について解説しました。

  1. 今の医学部はどこも難関だから
  2. 大学に入る能力と医師に求められる能力にはギャップがあるから
  3. 医師国家試験に合格しているから
  4. 私立大出身者の方がむしろ「良い人」が多いから
  5. 有名大学医学部を目指す人ばかりではないから

そのうえで、「医師の友達を持つこと」をおすすめしました

参考になれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました