胃がん検診を受けるクリニックの選び方

がん

こんにちは、コタロウです。

以前の記事で、胃がん検診には、バリウム検査よりも胃カメラを選ぶべきと意見しました。

分かりました!胃カメラを受けられるクリニックを予約します!

コタロウ
コタロウ

ちょっと待ってください。

せっかく胃カメラを受けるんなら、もうちょっとお話しておきたいことがあります。

結論からいうと、

  1. 拡大内視鏡を使っていること
  2. 特殊光内視鏡(NBI)を使っていること
  3. 鎮静下検査をしていること

の3つの条件を満たすクリニックで検査を受けることをお勧めします。

最近の内視鏡技術の進歩には、目覚ましいものがあります。光学技術の進歩で、単にきれいにみえるだけでなく、早期がんの発見や診断が、より確実に行われるようになってきました。

クリニックの雰囲気や、職員の対応の良さも大切なことですし、そもそも内視鏡検査を行なう医師の技術が大事なことは言うまでもありません。しかし、それについてはここでは触れません。内視鏡医の技術を見極めるのは困難でしょうし、私見ですが、最新の機器を備えて、検査精度を上げることにチカラを入れているクリニックなら、その点は心配ないと思っています。

この記事を読むことで、胃がん検診を受けるために最適なクリニックの見つけ方が分かるようになります。

おすすめクリニックの要件その1 拡大内視鏡

通常の内視鏡の80〜100倍の高解像度拡大画像で内視鏡検査ができる技術が、オリンパスや富士フィルムから発売されており、拡大内視鏡と呼ばれています。

下記の写真のように、毛細血管の走行までよく見えるようになります。通常の粘膜とがんの粘膜では、この毛細血管のパターンが変わってくるため、拡大内視鏡を用いることで、がんの早期診断が可能になります。

単に解像度が上がるだけと言われたら、そのとおりですが、微細な粘膜模様や血管の異常まで観察できることで、内視鏡医の診断力が大幅に上昇しました。

おすすめクリニックの要件その2 特殊光内視鏡(NBI)

通常の内視鏡では、前項の写真のような白色光(通常光と呼ぶことも)で観察します。

白色光にフィルターをかけて、特殊な波長の光だけを残して粘膜に当てると、粘膜の表面だけがよく見えるようになり、微細な表面構造と毛細血管がくっきりと映し出されます。これを特殊光内視鏡(Narrow Band Imaging; NBIといいます。オリンパス社が開発した技術です。

百聞は一見に如かず。下記のように見え方が大きく変わります。

その結果、胃がん検診でターゲットになる早期がん病変を見つけやすくなります。1の拡大内視鏡とNBIを組み合わせると、拡大視効果とNBIによる効果が重なって、相乗的に診断精度が高くなります

拡大内視鏡の項でも述べましたが、がんとその他の病変では毛細血管のパターンが異なるため、右の写真まで拡大かつNBIで毛細血管のピットパターンを観察できると、がんを診断するのに役立ちます。

おすすめクリニックの要件その3 鎮静下内視鏡

これは単純に、内視鏡検査は「しんどい」から、楽に受けましょうというだけの話です。

局所麻酔をしているとはいえ、喉に太いファイバーを通し、おなかまで観察する内視鏡検査はかなり苦痛が大きい検査です。つらい思いをしたくなければ、鎮静剤で寝ている間に検査してくれるクリニックを選びましょう。鎮静剤による呼吸停止やアレルギーなどのリスクはゼロではないですが、安全対策をきっちりしているクリニックではさほど問題になる処置とは思えません。私が勤める病院も、患者サービスの一環として、鎮静下内視鏡検査をお勧めしています。

何らかの理由で鎮静剤が使えない(鎮静剤アレルギーや検査後に車を運転する必要など)ときは、次善の策として、経鼻内視鏡をお勧めします。鼻から入る細いファイバーを用いることで、喉にゴツゴツとファイバーが当たらなくなりますから、大分楽になります。口からのファイバーは喉を押すことになりますので苦しいのです。以前は、経鼻では拡大内視鏡、NBIが使えなかったのですが、最近は経鼻内視鏡でもこれらの技術を使えるようになっていますので、その点も心配ありません。

私は医師として自分の胃の中を見ながら検査を受けたいので、これまで基本的に経鼻内視鏡で検査を受けています。そろそろしんどくなってきたので、鎮静下内視鏡に変えようかと考えていますが。。

内視鏡の次世代技術

ご紹介した拡大内視鏡と特殊光内視鏡(NBI)は、実はそこまで最新技術ではありません。NBIは画期的な技術ですが、2007年頃から市販機にも搭載され始めた技術ですから、ある程度普及した検査と言えると思います。

内視鏡検査の最新技術として挙げられるのは、超拡大内視鏡AIによる内視鏡診断です。

超拡大内視鏡

拡大内視鏡(80〜100倍)よりもさらに拡大視できる超拡大内視鏡と言われる内視鏡が開発されており、その倍率は500倍にもなります。

超拡大内視鏡(x500)

写真のように、細胞の核まで観察できるため、細胞レベルで観察が可能になり、内視鏡で悪性腫瘍を判別できる時代に入りつつあります。組織の一部を切り取って行なう病理検査(生検)が不要になるのではないか、とも言われています。

ただし、細胞を観察するためには粘膜を染色する必要があり、煩雑です。生検(組織検査)を上回る利便性とまで内視鏡医は感じていません。そのため、現場医師の感覚では、超拡大内視鏡はまだ普及していません。少なくとも、現状では胃がん検診でお勧めするほどのメリットはないと私は考えています。

AIによる内視鏡診断

もうひとつの最新トレンドは、人工知能 (Artificial Intelligence; AI)による診断です。

内視鏡を扱うのは人間である内視鏡医です。病変の見落としはどうしてもゼロにはなりません。この問題を、AIを用いて解決する試みが進んでいます。

検査中にリアルタイムに腫瘍やがんの判別を高精度に行なって医師に通知することで、診断を補助することが可能です。

まだ一般的な胃がん検診に用いられるところまで来ていませんが、大腸の内視鏡検査画像をAIで解析するソフトウェアは2021年2月にオリンパス社から発売されました。近い将来、胃がん検診にAI技術が普通に使われる時代になると考えています。

まとめ

胃がん検診を受けるクリニックの選び方について解説しました。

  1. 拡大内視鏡を使っていること
  2. 特殊光内視鏡(NBI)を使っていること
  3. 鎮静下検査をしていること

これらのことができるかどうか、問い合わせて受診されると安心できると思います。

参考になれば幸いです。

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