最新の治療法を自力で調べる方法

医療

はじめに

こんにちは、コタロウです。

自分や身内の方が大きな病気になったとき、自分でも病気のことを調べたいんです。正しい情報はどうやって調べたらいいでしょうか。

これはよく質問されることです。結論から言うと、

コタロウ
コタロウ

信頼できる医者の知り合いに聞くのが一番です。

…身近にそんな人はそうそういませんよね。そんな方に、自力で情報収集する方法を解説します。

  1. 市販の本、医学書
  2. ネット上の情報
  3. ガイドライン
  4. 医者が使っているツール

言うまでもないことですが、まずは主治医によく話を聞いてください。取りあえず、もっとも現状を認識していて、頼りになるのは主治医です。たいていの場合、冷静で正しい判断をされていると思われます。そのうえで、自分でも調べる場合の話です。

この記事を読めば、病気になったときの正しい情報の集め方が分かります。

最新治療の調べ方

1.市販の本、医学書

本屋さんやアマゾンで売っている、一般の方向けの書籍は比較的簡単に入手できます。ただし、古い情報が多く、最新の医学的知識を市販本から得ることは、むずかしいです。

また、よく書店で見かけるムック本に、「名医がいる病院」、「手術が多い病院」のようなものがあります。これは決しておすすめできません。一介の外科医の私のところに、よく「〇〇万円でムック本2ページ掲載いただけますが、どうでしょうか?」といったお誘いが届くことがあります。つまり、商売でやっている訳で、本当の名医が載っているとは思えません。眉唾と考えていいと、個人的には思っています。

ムック本:雑誌magazineと書籍bookの中間の意を表す造語。内容は単行本でありながら、発行形式や編集形態が雑誌のような出版物。雑誌風書籍。

医師向けの医学書も、大きな本屋さんやアマゾンなら入手可能です。この選択は悪くないように思います。注意点としては、基礎医学が分かっている人(医学生以上)に向けて書かれているため、理解が追いつかない恐れがあること、内容が教科書的で、最新医学とは言えないことでしょう。

2.ネット上の情報

今の時代、それもこのブログを見ているほどの皆さんなら、まず実践されるのがこれでしょう。ネット上には、確かに有益な医学情報も多いのですが、玉石混交で、むしろ害悪となるようなニセ情報もあふれています。私がこのブログを始めた大きな理由でもあります。くれぐれも、あやしい免疫療法クリニックにだまされないように、ご注意ください。

そうは言っても、最近のGoogleは、情報の信頼性をたいへん重視しています。大きな変革は、株式会社DeNAが提供していた医療キュレーションサービス「Welq」に、医学的根拠が不確かな情報が多数掲載された「Welq事件」です。当時ネット上ではいわゆる炎上騒ぎになりました。これを受けて、2017年12月にGoogleは「健康アップデート」と言われる大幅な検索エンジンの最適化を行ないました。信頼できる医療機関や医師のサイト、国や官公庁のサイトは検索順位を上げましたが、個人のサイト、NAVERまとめや大手ヘルスケア情報サイトは軒並み検索上位から姿を消しました。

私は、この動きは社会にとって良いことと考えています。それでもなお、信頼できない医療情報はGoogle検索で上位に出てきています。信頼できるネット上のサイトについては、外科医のけいゆう先生がまとめてくれています。非常によくまとまっていますので、是非参考にしてください。

3.ガイドライン

がんを始め、様々な病気の治療ガイドラインが、関係する各学会(たとえば上記の大腸癌治療ガイドラインは大腸癌研究会)から発行されています。臨床業務を行なう医師が基準にしているのがこれと言っていいでしょう。医者しか買えないわけではないので、読んでみるのもいいかもしれません。ネット上にはガイドラインの一部が公開されています。

ただし、専門用語がたくさん使われていますので(医師にとっては一般的な言葉ですが)、理解するのが難しいかもしれません。

4.医者が使っているツール

参考までに、私たち臨床医が医学知識をアップデートするのに使っているツールをご紹介しておきます。一般の方が使えるものもあります。

  1. Pubmed
  2. UpToDate
  3. 学会、研究会
  4. 知り合いの医師

4−1.Pubmed

Pubmedは、米国国立医学図書館 (NLM; National Library of Medicine)が運営している論文検索サービスです。最新の医学論文が検索できます。医師の大多数が使っていると言っても、過言ではないでしょう。なんと無料です。論文の原著そのものまであります。一般の方でも利用できますので、専門用語のうえに英語であるハードルを越える自信があれば、本当の意味で最新の医学知識に触れることができます。

4−2.UpToDate

UpToDateは、Solucient社の有料サイトです。エビデンス(医学的根拠)がある診断、治療法がまとめられています。研修医から指導医まで、頼りにしている医師も多いのではないでしょうか。有料ですが、病院が一括契約しており、職員みんなが利用できるようにしている病院も多いです(私の勤める病院も含みます)。一応、30日間で$53(約5500円)の負担で、一般の方でも利用できます。

4−3.学会、研究会

自己紹介に書いたように、私もいろんな学会に所属しています。その分野の専門家が集まり、意見を戦わせる場ですから、やはり最新知見が得られる一番の場所と言っていいでしょう。

4−4.知り合いの医師

参考にならない話でお叱りを受けそうですが、自分の専門でない病気について、もっとも効果的に情報を得る方法は、身近にいる専門科の医師に質問することです。私は医師数だけでも300名以上在籍している大きな病院に勤めていますが、あらゆる専門科が周囲にいることのメリットを日々の臨床業務で感じています。自分が不整脈(心房細動、過労のためです)になったとき、旧知の循環器内科の同僚にすぐ相談して、的確なアドバイスを受けてることができました。逆に、他科の医師から質問や頼まれごとがあれば、全力でお手伝いすることにしています。読者の皆様も、できたら医師の友人がいると頼りになると思います。

まとめ

以上、最新の治療法を自力で調べる方法をまとめて解説しました。

  1. 市販本、医学書、ネット上の情報、ガイドラインは比較的容易に情報が得られるが、情報の新しさ、信頼性に注意が必要
  2. 医師はPubmedやUpToDate、学会で知識をアップデートしている
  3. できれば信頼できる医師の友人がいるのがベスト

参考になれば幸いです。

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