大腸がんで死なないために知っておきたいこと

がん

もう10年ほど前になりますが、医学生時代に同じ下宿に住んでいた同級生で、親友H君を大腸がんで亡くしました。

コタロウ
コタロウ

奥様とまだ小学生だった長男を残して、さぞ無念だったろうと思います。

大腸がんは、日本人のがんの死亡原因の全体で2位、男性3位、女性では1位になる病気です。

現場の外科医の感覚では、ある程度の進行度までで見つかれば、治すことが期待できる病気ですから、早期発見する意味が大きいと考えます。

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同級生H君が亡くなった後、残った同級生の友人たちとせめて俺達は大腸がんで死なないようにしよう。そのために、これだけはやっておこう」と決めたことを、ここで紹介させていただきます。

結論からいうと、

  1. 禁酒、禁煙、肥満を避けるなど最低限の予防策はとっておく。
  2. 症状(下血、腹痛、テネスムス)があれば大腸内視鏡検査を受ける。
  3. 症状が無くても、毎年検診で便潜血2日法を受ける。
  4. 40歳になったら、一度は大腸内視鏡検査を受けておく。

です。詳しく解説します。

この記事を読んでいただくことで、少しでも大腸がんで亡くなる方が減ることを期待しています。

大腸がんにならないための予防策

  1. 直接的な予防策はない
  2. 肉食を控える
  3. 肥満にならない
  4. 禁煙と禁酒

直接的な予防策はない

残念ながら、胃がんや子宮頸がんのように、明らかな原因が存在しない大腸がんには、「これさえしておけば大丈夫」という予防策はありません。

ただし、明らかな因果関係があるとされている以下の項目は、有効な予防策と言ってよいでしょう。

肉食を控える

肉中心の食事は大腸がんのリスクファクターであることが、疫学的調査(これまでに大腸がんにかかった人達のデータ解析)で明らかになっています。

一方、緑黄色野菜や魚、食物繊維、カルシウム、ビタミンDの多い食べ物には、予防効果があります。生活の欧米化に伴って、日本人の発生頻度は上がっていますが、主に食生活のためと言われています。

要は、「肉ばかり食べてないで、野菜も含めてバランスの良い食事をしましょう」ということです。

肥満を防止する

肥満も大腸がんの危険因子です。適度な運動によって免疫力が高まり、大腸がんを予防する効果があることが分かっています。

禁煙と禁酒

大腸がんに限らず、がん全般に言えることですが、がんを予防したければ、「禁煙」はもっともおすすめできる生活習慣です。

アルコールも、タバコほどではないですが、がんの危険因子ですから、毎日飲酒するような方はせめて減らす方が良いです。個人的な意見ですが、多量飲酒でなければ、禁煙ほど厳しく考えなくてもいいかな、と思っています(私はほとんど飲みませんが)。

注意すべき大腸がんの症状

大腸がんの症状で、知っておいていただきたいのは次の3つです。

  1. 下血
  2. 腹痛
  3. テネスムス

下血

がんの組織は脆い(もろい)ので、表面から出血します。そのため下血が主症状になり、これで発見されることがあります。症状で発見される大腸がんで、一番目立つのはこの「下血」です

わずかな出血が長期間続くために、貧血で発見されることもあります。

腹痛

がんが大きくなってくると、便が通過しにくくなって、腹痛を起こします。

大腸は、次の図のように、おなかの右下(盲腸)から始まって、上行→横行→下行→S状結腸→直腸→肛門と続きます。上行結腸では水分の多い便が、大腸を通過していくうちに水分が吸収されて硬い便になっていきます。なので、左側(S状結腸や直腸)にくらべて、右側(盲腸〜上行結腸)にできた大腸がんは通過障害を起こしにくく、発見が遅れやすいことには注意が必要です。

便は大腸内でだんだん硬くなる

テネスムス

いわゆる「しぶり腹」症状が出ることがあります。便意があるのに排便がなかったり、少量しか排出されないのに頻繁に便意をもよおす症状で、テネスムス症状とも言います。直腸に炎症があると起こる症状で、大腸がんでも見られることがあります。

検診と違って、これらの症状が出ているということは、ある程度進行してしまっている可能性が高いです。早めに消化器内科での検査を受けることを強くお勧めします。

親友H君は、腹痛が長引いていたのに、忙しくて病院を受診するのが大分遅くなったことを悔やんでいました。病院に勤めていたのに。。

大腸がんを早期発見するための検診方法

  1. 便潜血検査(毎年)
  2. 大腸内視鏡検査(40歳以上)

便潜血検査(毎年)

大腸がんの主な症状として下血があると前項で話しましたが、早い段階の微量の出血を検出する能力を持っているのが便潜血検査です。特殊な抗体(ヒトヘモグロビン抗体)を用いて便に血が混じった血液を検出します。

検便のときにたまたま出血していなければ検出できないので、通常は1日に1回ずつ2日行なう「便潜血2日法」を行います。人のヘモグロビンに対する抗体を用いているので、動物の肉に含まれる血球には反応しません。

この便潜血検査は毎年受けてください。対策型がん検診にも含まれており、無料か小額の負担で受けられるはずです。陽性なら、大腸内視鏡検査を受けましょう。

大腸内視鏡検査

40歳になったら、一度は大腸内視鏡検査を受けておくことをお勧めします

これは、大腸がんが「腺腫」という良性ポリープから発生することが多いからです。ポリープの出来やすさは体質や食生活によって個人差が大きいです。一度は大腸内視鏡をして、もしポリープがあれば内視鏡切除してもらい、1年後にまたできているかチェックするために再検査するべきです。

まとめ

大腸がんに対しては、以下のような備えで、命を落とすほどの危険性はかなり下げられると思います。

  • 禁酒、禁煙、肥満を避ける(予防)
  • 症状(下血、腹痛、テネスムス)があれば大腸内視鏡検査
  • 無症状でも毎年の便潜血検査
  • 40歳になったら一度は大腸内視鏡検査をうけて、ポリープの有無をチェック

私の友人に起こったようなことで悲しい思いをする方が、ちょっとでも減ればと思って記事を書きました。

少しでも参考になれば幸いです。

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