医者の私が先進医療特約に入る必要はないと考える理由 〜標準治療と先進医療〜

医療

質問

保険会社のCMで「先進医療」って聞くけど、なにそれ?

「標準治療」よりイケてる治療ってこと?

先進医療という言葉は、いかにも効果的で最先端の治療法って気がしますよね。標準治療は平凡な治療で、いざというときにお金を出さないと先進医療は受けられないのかな?と不安に感じるのも理解できます。

結論から言うと、私は先進医療特約に入る必要はないと思います。

この記事では、標準治療と先進医療について解説します。

先進医療とは

保険診療で認められているレベルを超える最新治療のうち、厚生労働省が定めた医療行為のこと(厚生労働省HP 先進医療の概要について)。

これだけ聞くと、なんか凄そうに感じますね。

実は、もう少し分かりやすい言葉で言うと、

先進医療とは、将来、保険診療の対象にするかどうか検討中の技術、治療法のことです。例えば、悪性腫瘍に対する重粒子線治療や、胃癌のロボット手術(こちらはもう臨床試験が終了して、今は先進医療ではありません)などがあります。記事を執筆している時点(2020年12月)で指定されている先進医療は、A:23種類、B:57種類あります(先進医療の各技術の概要)。治療の効果や安全性が確立されたら、将来保険収載され、標準治療になります。

あれ?先進治療が臨床試験の結果、標準治療になる?

おかしくないですか?

そう、たしかに先進医療は、先進性や期待感はあるけど、効果や安全性の検証が必要な技術、治療法なのです。

個人的意見ですが、名前が悪いと思います。

「先進医療」という名前は、いかにも「標準治療」よりも上位の治療という印象、誤解を与えています。確かに、現在の標準治療では治せない病気でも治せるようになったり、より安全な治療ができるようになるポテンシャルはあります。が、それは現代の医療の最高である標準治療を行なった後に考えることではないでしょうか。

「先進医療」ではなく、「評価中医療」ぐらいの名前の方がふさわしいのではないかと思っています。

先進医療特約は必要?

ここからはお金の話になります。

日本の公的保険は、高額医療費制度も含めて、国民の財布には非常にやさしいです。ここは欧米の多くの国と比較しても誇るべきところと思います。

くだんの先進医療は全額自己負担になります。その差額を埋めるための保険が先進医療特約です。

前述の先進医療の内情を考えれば、先進医療特約は不要と思われます。理由は、以下のとおりです。

・標準治療で十分な場合が多い。
・先進医療が標準治療より優れている訳ではない。
・先進医療で行なえる治療法は限られている(前述の表参照

そもそも民間医療保険(ア○ラック、○○生命など)は、日本の手厚い医療保険制度を考慮すれば、ふつうの人には全く不要と思っています。筆者も加入していません。別記事で解説していますので、合わせて御覧ください。

まとめ

1. 先進医療とは、効果や安全性が確立しておらず、将来保険診療の対象にできるかどうか、検討中の医療のこと
2. 臨床試験の結果、効果と安全性が認められたら、先進医療は標準治療になる。
3. 先進医療特約は不要と思われる。

参考になれば幸いです。

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